若々しい

 大澤先生の「美はなぜ乱調にあるのか」の序は、1989年に書かれています。
 博士論文である『行為の代数学』の刊行と同じ年に書かれた、この序文はきわめて難解な印象を与えます。

 数学に美を見、数学的な探求そのものが社会学的な考察を与えるのだ、という大澤先生の主張は、二十代はじめの私の支えであり励みでありました。また、先生の著作の難解さは大いなる刺激でもありました。

 そんな気持を思い出させてくれる、若々しい文章です。