おばあちゃんの帰るとき

 
 7月1日、これまで一月の間、娘を付きっきりで面倒をみてくれた、義母が家に帰っていきました。
 帰りしな、皆、大泣きに泣きました。
 タクシーを見送って、家に戻って、娘の顔を見ていると、涙がこみあげてきて、涙がこみあげてきて、止まりませんでした。
「この一ヶ月、おまえの面倒見てくれたん、おばあちゃんやねんで。だけどお前この一ヶ月のこと、ちっとも覚えてないんやろーな」
娘は、いつもと変わらず、あまりに健やかな寝顔で眠り、おばあちゃんの不在を不審がることもありません。
その寝顔の健やかさに、なぜかしら涙が止まらなかったのでした。
 お義母さん、本当にありがとうございました。