2005年 5月 7日 〈甲子園〉
ゴールデンウィーク中、甲子園に行って参りました。
阪神対広島戦です。
球場をみっしり埋め尽くす五万人の阪神ファンに圧倒されてしまいました。
レフトスタンドと三塁アルプススタンドとの本当にわずかな部分に、赤い色をした広島ファンの姿が見られます。球場全体に犇く阪神ファンの中で、その集団はあまりに小さく見えます。マイノリティという言葉が思い浮かびました。
〈虐殺幻想〉
ある種の痛ましさを覚えました。試合が阪神優位で進んだこともあって、より一層その気持ちが強まりました。赤い帽子がなにか負の烙印のように見えます。ダビデの星の描かれた板を首からぶら下げるユダヤ人みたいに。これからこの人たちは弄られ虐げられるのではないかと、そんなことすら思いました。
〈礼節ある応援〉
もちろん、ファン同士の対立などなく(虐殺などあろうはずもなく)、試合は正々堂々と行われ、応援も清々しいものでした。広島の応援は実に整然としていました。
けれど、それでも上のような夢想をしてしまう、そんな圧倒的な迫力が旗幟を鮮明にして集まる大集団にはあるのだ、ということを思いました。