夫婦・卒業旅行(11)パリ1

 
 空路、ミラノからパリへ、一時間と少しの旅。途中アルプスを見下ろします。シェンゲン協定国間の移動ですから、ほとんど国内での移動の感覚。空港の中の扱いも、日本で言えば、国内線に相当するものです。

 バスでセーヌ川に沿って移動します。あれがノートルダムです、あれがルーブル、あれがオルセー、コンコルド広場……。
 なんて密度の高い街!
 それぞれ、一つだけで世界中から観光客が訪れそうな有名なものどもが、みっしり並んでいます。
 オベリスクオペラ座も金箔が貼られキンキラに輝いています。
 聳え立つエッフェル塔も美しい。夜になり、定刻になるときらめく華々しさも下品な感じがない。
 建ち並ぶアパルトマンは幅狭く奥行きがあるのだということでした。比率としては確かにそうなのでしょう。けれど幅それ自体、日本の建物に比べれば、決して小さくはない。灰色の空と黄土色のセーヌ川とを基調とした、落ち着きのある街でした。