倉敷・広島の旅(8)

宮島

 宮島まで、広島からJRを利用して移動です(8:17発)。この地方の観光の中心地、世界遺産安芸の宮島観光を楽しもうというわけです。青春18きっぷ2日目の旅となり、5回1セットのこの切符、3人×2日で1回分の不足となります。1回分を実費であてがい、その都度の乗車券を購入して、移動するのもありかと、考えましたが、結局、そうはせず青春18きっぷをもう1セット購入することとしました。この一日で6,000円近い移動をすると考えられ、残りの4回分は、また別の機会に使うことで、十分に元が取れるだろうと判断したからです。
 30分ほどでJR宮島口駅に到着。瀬戸内海を臨みます。宮島へはJRがフェリーを出しています。なんと、このフェリーも青春18きっぷで乗れちゃうんです。15分間隔でフェリーは出ているので、待つことなく宮島へ。宮島までは2キロ。穏やかな海にフェリーは出でて、対岸に見えている宮島めざしまっすぐに進む。大鳥居の間近を通り、船着き場へ。
 時は頃よく満潮。天気も良く、海は青く、大鳥居は海に浮かぶかのよう。鹿の出迎えを受けて、厳島神社へ。本殿の下にも海水は及び、海に浮かぶ神社の雰囲気をよく伝えます。
 彼方を見上げれば、弥山が趣深い。原生林は東南アジアの森のような多様性に満ち、またその山の端は山水画のように、松の一本、一本が、それぞれ思い思いの縁取りをしている。五重塔、千畳閣などもまたこの絶景に興を添えている。大満足です。源平の昔に思いを馳せる。
「この神社を造ったのは平清盛というヒトで」
と私はかみさんに説明します。
「同じヒトが神戸の福原を造ったんだよう」「福原ってあの、きらきらぴかぴかに光ってるお伽の国みたいな場所」「すごい殿様だよな平清盛って」
かみさんはなぜかしら、軽蔑のまなざしを私に向けます。はて?
 
 千畳閣に上がってみれば、ただただ板張りが広がりに広がっただけの不思議な空間。様々な年代に、様々なものが奉納されており、江戸時代に奉納された囲碁大会記念の絵馬やら、昭和に開かれた能の演目の絵馬やら、巨大しゃもじやらが飾られています。
 適当に歩いているうちに、小腹が空いてきました。すると、まったくのグッドタイミングで、もみじまんじゅうをがっちゃんこ、がっちゃんこと焼いているところに遭遇しました。出来たてが食べられるのです。3人並んで、お茶を飲み、一つずつ食べることにする。アツアツのもみじまんじゅうは、これまでもみじまんじゅうと思っていたものとは別の食べ物。さくさくとして、実においしい。その後、おみやげを買い、揚げもみじまんじゅうを食べ、焼きがきを食べ、帰路につくことにしました。
 フェリーで宮島口に戻り、名物の穴子の天丼や刺身といった昼食を取り、折良く訪れたシティライナーに乗って、岡山まで向かいます(12:55発)。比較的席は空いており、快適な旅となります。
 16:02に岡山着。ここで無理をすれば岡山観光も可能でしたが、しかし、疲れも出てきました。そのため喫茶店で一休憩ののちに、再び駅へ。17:22発の姫路行きを目指します。このとき16:50分位には、電車を待つ列に並んでいました。岡山-姫路間の混みように初日で懲りたからです。案の定ぎゅうぎゅう詰めとなりましたが、早めに並んでいたのが幸いして座ることができました。
 姫路の地下で担々麺とイカ焼きを食べて、家へと帰っていきました。
 青春18きっぷで旅費を節約できた、そして観光旅行らしい観光旅行ができた旅でした。
 また原爆ドームを仰ぎ見る貴重な体験のあった旅でした。