夫婦・卒業旅行(14) パリ4 エッフェル塔

 ラファイエットにてかみさんと合流し、エッフェル塔へ向かう手はずとなっていました。そこで思わぬ依頼が添乗員さんから。ツアーを伴にしている女子大学生グループ2グループもエッフェル塔に行く予定している。男がいるのといないのとでは、安全面で、大きな違いがある、できれば引率してほしい。わわわ、女子大生と集団行動。断る理由がありません。鼻の下を伸ばしながら引き受ける。
 女子大学生との楽しい地下鉄移動。
 私は決して鉄道オタクではない、と声を大にして言いたいのですが、それでも、路線図を見ると胸がおどります。どのラインを使おうか、どの駅で乗り換えをしようか。あれこれ考えを巡らすというのは実に楽しいものです。こうしたことに、大阪も東京も、ローマもパリも大きな違いはありません。いくつかの候補と、それぞれ予想されるメリット、デメリットがある。私の決定に、8人の乙女と1人のかつての乙女とが、素直に従って動いてくれるのがうれしい。
 迷うことなく予定の駅で降り、外に出て歩けば、夕闇迫る中に聳え立つエッフェル塔。とにかく高い塔が大好きという、高楼萌えの単純バカな私は大興奮です。
 四つの脚には、それぞれ入り口のようなものがありますが、ヒトが群がっているのはただ一箇所でした。そこに並ぶ。塔の下から見れば、鉄骨の圧倒的な重量感にめまいがする思いです。第一展望台で乗り換えがあり、第三展望台まで。高さ276メートルのこの展望台に達したとき、すでに外は闇に包まれていました。
 パリの夜景が美しい。シャイヨー宮、シャン・ド・マルス公園、セーヌの川面という近傍から、もはや光りの点としか認識できないほどの遙か彼方までが、360度見渡せる。それも外に出で、地上に比べて冷たい高さ276メートルの夜風を肌に浴びて。「ひえええ」高所恐怖症の症状を遺憾なく発揮させて、及び腰でみんなの写真を撮り、みんなに写真を撮ってもらう。
 またたくうちに時は過ぎていきました。
 地下鉄に再びみんなで乗りこみ、ホテルに近い駅にて降り、そこで添乗員さんおすすめの、カバのレストランで食事を取る。日本で言えばファミリーレストランのようなかんじでしょうか。1人15ユーロ程度の値段で、ステーキを食べ、満足のうちに、ホテルに戻って一日を終えました。