高松へフェリーの旅(1)

 4月末の3連休。フリーとなり、フリーとなった週末は旅行に行かねばならない、と、半ば強迫的な思いに駆られて、フェリーを使って香川旅行に行って参りました。

フェリー

 この旅の一番の目的はフェリーに乗ること、と言えるほど、神戸−高松間のフェリーは、趣深い。
 バスなら、3時間で3300円前後、それがフェリーを使うと3時間40分で、1800円(往復で2990円)。往復でバスの半分以下の値段となります。格安の移動手段です。
 一日5便あり、ヒトだけなら予約なしで乗船可能です。
 
 瀬戸内海の凪いだ海に大きなフェリーで進みますから、ほとんど揺れることがなく、船酔いすることもありません。
 
 神戸市役所を南に行ったところにある、フェリー乗り場に出港4分前(14:50)に行き、チケットを買い、列に並び、15:00の乗船開始を待ちます。ゴールデンウィークということで多くのヒトが並んでおりました。
 船内には、洋室(椅子がある)と和室(絨毯だけが広がっている)、女性専用ルーム、授乳室があり、かなり広々としたかんじです。列の最後尾にいたのですが、余裕を持って椅子に座れることができました。
 ただ、四人がけのテーブルつき、船の最前列にあり眺めの良い特等席は、既に取られてしまっていました。この席を確保するためには、早めに来る必要がありそうです。
 15:30に出港です。
 水の抵抗は、地面の抵抗と比べることが出来ないほど小さいものです。いつのまにか風景が動き出しています。
 海から見る神戸の街並みは、これ自体十分に観光に値します。20時発の便に乗れば、神戸の夜景に心打たれるであろうと思われました。
 30分位進むうちに明石海峡大橋が見えてくる。森博嗣さんの『そして2人だけになった』の舞台ともなった橋長3911m、中央支間長1991m、主塔高さ約300mという世界最長の吊り橋です。
 まだ大きくなるか、まだ大きくなるか、というかんじでどんどん迫ってくる。数学的な美しい曲線を描く、端正なたたずまいでありながら、圧倒的な大きさであるというのがなんとも奇妙なかんじです。フェリーは大橋をくぐり抜ける。その瞬間を甲板に出て、楽しむ。この巨大建造物の大きさを最も感じる瞬間です。
 フェリーは進み、四国周辺の島々が現れる頃には、すっかり日が傾いている。瀬戸内海の島々の間に沈みゆく夕日と夕焼け空を存分に楽しむことができます。
 3時間40分の旅は、高松東港(高松港でないことに注意、高松駅へはシャトルバスでの移動となります)にフェリーが着岸し、満足のうちに終わりました。