高松へフェリーの旅(6)

わら屋

 栗林公園を出でて、再び琴電を利用します。瓦町まで戻ってそこで志度線に乗り換える。大体20分に一本程度の割合で電車は走っています。
 琴電屋島駅で下車します。同じく下車し、迷わず進む皆さんと同じように歩けば、四国村に着く。水車が回り、わら葺の農家が現れる。新緑吹く桂の木が趣深い。そして並ぶ無数のヒト。
 そう。ここは讃岐うどんの名店、わら屋なのです。香川に来たら、讃岐うどん。これはお約束です。
 晴天に恵まれた、ゴールデンウィーク真っ只中。行列はとても長い。長い行列の最後尾に並ぶ。初夏の陽気でじっとり汗ばんでくる。
 行列の進みは思いのほか早く、20分ほどで、店内に入ることができました。
 食券購入です。「うどんはたらいじゃなくっちゃ」よく分からない理由で、釜揚げうどんを特大(900円)で頼み、「ざるもいいよね」というので大(680円)を頼む。かみさんの気持ちを汲んで、てんぷら(1100円)も頼み店内へ。
 店内に入ると、梁やら、わら葺のわらやらが迫力を持って、露になっている。昔ながらの日本家屋ですが、サイズが大きい。不思議な空間です。
 長いすに適当に自分たちの場所を確保して、うどんの到着を待つ。やがてたらいに入ったうどんがでん、と置かれる。つゆを入れた徳利が面白い。大きくて、そして熱い。そっと椀につゆを入れ、ネギ、生姜を入れて、うどんを食べる。コシある手打ちうどんで、実に美味しい。いりこを効かせたつゆが特徴的です。ずるるると、二人して食べまくるうちに、天ぷら登場。エビが二つ、キス二つ、カボチャとサツマイモ、しそなどかなりたっぷりです。天ぷらはさくさくと揚がり、うどんによく合います。
 たらいのボリュームは、相当にあります。二人が満腹になる分量です。
 つづいてざるをつるつるすする。冷やしてあると格段にコシが出る。これが、さぬきうどんのコシなのだなと、納得します。
 そのうちに満腹となってしまいました。
 おっきなお腹をさすりながら、わら屋をあとにしました。釜揚げの特大のみにするか、どちらも大にすれば、二人で食べる分としては丁度良かったなあ、と思いました。それとセルフの店をいくつか巡るのが、香川うどん文化体験の醍醐味なのですが、それが「うどんは一回だけで十分」というかみさんの強い要求によって果たせなかったのが残念でした。