夫婦・卒業旅行(4)ローマ1

 憧れのローマ。
 ついたのは深夜で、市街に入ることなく、ホテルへと移動。
 
 ホテルに着いて、部屋に入り、エアコンが効かないことに気づきました。壊れてる。部屋に備えつきのドライヤーがあるところはいいのですが、これもまた壊れてる。トイレもうまい具合に流れません。あれ? イタリアってG7の一つにかぞえられる先進国……。
 な、な、なんかこの雰囲気って。
カトマンズに似てるよねー」夫婦でそう語り合いました。
 その後、レストランのオーダーで、何回も注文を確認されたり、オーダーどおりのものが出てこなかったり、注文後料理が出てくるまで長い時間待たされたり、ラーメンの麺がスパゲッティだったり、という体験をして、これもまたカトマンズのような印象を抱きました。聞けば、列車の運行も30分遅れはざらで、一日遅れということも珍しくないとのこと。この時間感覚もまたカトマンズに似ていると思われました。街にはゴミが散らばっていて、市民が頓着しないかんじもそう。
 いや、そうじゃないのだ。と思います。カトマンズとローマだけがたまたま似ているのではない。世界の大部分がこういうかんじなのかもしれない。宿泊施設の傷み具合や、レストランのオーダーの効率の悪さや、時間に対するルーズさの多くが世界共通なのかもしれない。むしろ異常なのは日本のほうかもしれない。
 あまり多くの国を知らないので、私はこれについて自信を持って言うことはできないのですが、添乗員さんの話では、列車運行は日本が病的なほど正確で群を抜いており、ホテルの設備についても(特に安ホテルで)日本が優れているのだ、とのことでした。ヨーロッパではドイツなど北方の国は比較的日本に近く、時間に正確で、設備不良に対して対処するが、南方はかなり杜撰なのだそう。
 日本/ネパールの差異を、勝手に先進国/発展途上国という差異に拡張して理解していた自分に気づき、その誤解を修正する機会を得たことを嬉しく思いました。……夜は寒かったけど。