倉敷・広島の旅(4)

車窓から

 倉敷から広島にいたる旅は、思い描いていたように、向かい合わせの四人がけの席に座るものとなりました。各駅停車でのんびりと西へと進む。広島まで2時間半の旅です。
 車窓からは瀬戸内の風景が臨まれる。島々が視界を遮って湖のような広がりの、波立つことのない穏やかな海。
 尾道でラーメンでもと思っていましたが、時間が合わず、通り過ぎる。昭和の日本、というテーマパークであるかのような、一時代前の町の雰囲気を車窓から味わいます。
「はあ、いいよなあ」と声をかけ、傍らを振り向くと「くけー」と、かみさんは眠りこけていました。