愛蘭土倫敦紀行 ダブリン・ロンドン4泊7日の旅(6)

アイリッシュパブ

 市内から再び姉の家へと戻る。時差が8時間あるので、24時に関空を発ってから、移動づくめで26時間経つが、まだ夕食をどうするか、という時間。襲いかかる眠気のなか判断します。
 娘はいとこたちとともに家で姉のつくる食事・私とかみさんとは義兄に連れられてアイリッシュパブへ、ということになりました。
 義兄の車で、郊外へと進みます。うっそうと生い茂る森や牧草地やらを縫うように進んでいく。20時近くになっていましたが、まだ夕方の明るさの中にいます。
 訪れたアイリッシュパブは、JOHNNIE FOX'S PUBというところで、1798年設立だそうです。牧草地に囲まれた閑静な環境にあり、建物はアンティーク嗜好の趣あるものでした。席がとれるまで、屋外のテーブルでギネスビールをいただく。とても泡立ちがクリーミィーで感動します。
 屋内にうつり、案内された席に座る。室内の装飾もアンティーク嗜好なもので面白い。人気店で満席でした。弾き語りをやっていて盛り上がっています。ムール貝・生牡蠣・アイリッシュスープ・パイ皮で包まれたのクリームシチューをいただく。
 ムール貝や生牡蠣は、海に囲まれた環境での素材が勝負の料理で、日本人にもよくなじみの食材ですから、期待を裏切りませんでした。おいしくいただきます。アイリッシュスープは、いわゆる肉と野菜のごった煮で、セロリとベーコンが良く効いています。滋味深い、胃腸にしみじみ効くかんじ。落ち着きます。
 どの皿にも付け合わせにジャガイモがついてくる。しかもご丁寧に、ゆでただけのものとマッシュポテトの2種類。このジャガイモがとてもうまい。さすがアイルランド。小麦はイギリスに納めるために作り、自分たちのためにはジャガイモだけを作る、という多様性が失われたモノカルチャーの結果、手ひどい飢饉がアイルランド全土を襲い、アメリカへの移民を促した──というのは名高い話です。アイルランドのじゃがいもは、世界史的な意味合いのあるものなのです。
 私とかみさんと、それに義兄さんという、普段はない組み合わせでの食事会。心地よい体験でした。
 帰りは、日本での朝5時くらい。眠気が襲って意識を失い、気づいたら家でした。
 娘は姉のつくる日本食を食べ、いとこたちとババ抜きを楽しんで、寝てしまっていました。